毛ちゃんトマト

エッセイリレーを随分サボってしまって、すいません。
というより、全然リレー出来ていないので、看板倒れです。

このエッセイコーナーを楽しみにしてくださっている方もいらっしゃるのに、忙しさを口実に逃げているばかり。はい、私も筆不精です。

エッセイを始めてみて、意外と気付いたことがありました。
私たち通訳者・翻訳者は日々の仕事で各界の素晴らしい方にお会いして、多くの感銘を受けているのですが、お客様の情報を大事に扱わなければいけないため、往々にして書けるものが非常に制限されています。
ということで今度はくだらないことを書きたいと思います。

それはどういうことを言うと、
有名な○○さんが来日するまでに料理したことがなく、日夜研鑽で料理研究家になられたエピソードを聞き、私と同じじゃないか! ということは私も料理研究家になれる? と有頂天になったのです。
早速、ここで「毛ちゃんトマト」をご紹介します。

何を隠そう、私は料理が下手です。
中学校から寄宿舎に入り、来日するまではずっと学食のお世話になっていました。10年間で何かを食べていたかというと、ひたすら「これ」です。
寄宿舎に入る前夜、母は洗い板を使って洗濯を教えてくれましたが、料理までは間に合いませんでした。勝手に留学を決めた時に、父は「お前を大学にやるもんじゃなかった」と嘆き、母は「せめてご飯が作るようにならなきゃ」と焦っていました。それも実らず・・・
あれこれ、もうすぐ20年前の話になります。
来日後もひたすら学食ですが、節約するために自炊を開始。スーパーで何を買ったらいいか分からず立ち尽くしている自分、今も目に浮かびます。

賄い付きのレストランでのアルバイトが見つかり、留学生の先輩に世話を焼いてもらって、時々お食事を恵んでもらうようになるまでの短い間でしたが、良く作っていたのも「これ」です。

お袋の味と良く言われますが、私の味覚に焼きついたのはこれしかありません。早速記憶を辿って試作開始。途中に何度も国際電話をかけて母に手順を教わり、徐々に完成形へ持っていき、今はすっかり私の定番料理となりました。はい、パチパチパチ!

毛ちゃんトマト

 

文字数稼ぎでだらだら書きましたが、ご覧の通り、トマトとたまごの炒めもので、学食にも出るような庶民的な料理です。

材料:トマト、たまご、油、塩、しょうゆ、コショウ、隠し味に砂糖。

丁寧な作り方:

  1. トマトを洗ってからくし切りにし、たまごを割って、かきまぜる。
  2. 中華鍋或いはフライパンにサラダ油をひいて、熱したらかき混ぜたたまごを流し込み、ヘラで混ぜながら焼く。
  3. きれいに焼きあがったたまごを一旦鍋から取り出し、再度少なめに油を足して、トマトを炒める。
  4. トマトから水分が出て、しんなりとなってきたら、取り出したたまごを鍋に戻し、塩・しょうゆ・コショウ・隠し味に砂糖を加え、最後に青ネギをちらし、お皿に盛りつける。

雑な作り方=毛ちゃんトマト

  1. トマトを乱切りにし、たまごを茶碗に割って、かきまぜる。
  2. フライパンにサラダ油をひいて、熱くなったらかき混ぜたたまごを流し込み、適当に焼く。続いてトマトを入れて、また適当にかき混ぜる。塩・しょうゆ・コショウを適量入れて、出来上がり。

これはまたおいしいと評判なのです。
我が家で食べた友人たちは自分のレパートリーに加え、名付けて「毛ちゃんトマト」。ここ柏では静かなブーム・・・らしい。
「今日の晩御飯はな~に?」
「毛ちゃんトマトよ」なんての会話も成立していると思うと、うふふ、ちょっぴり鼻が高い。